Color Strategy for Packaging
色の戦略:ブランドカラーを包装に落とすときに検討すべきこと
色の戦略とは、ブランドが定める色(ブランドカラー)を、印刷や資材の条件を踏まえたうえで包装面に正確かつ一貫して再現し、色そのものをブランドの識別要素として機能させるための検討行為である。
考え方の軸
色は言語や文化の違いを超えて瞬時に認識される視覚要素であり、ブランドを識別する手がかりとして機能しやすい。色の戦略は、単に好みの色を選ぶことではなく、その色が競合や既存の市場の中でどの程度独自性を持つか、また商品カテゴリの慣習とどう関係するかを踏まえて検討する作業である。
画面上で決めた色は、印刷インキや資材の素材によって見え方が変わる。色の戦略を包装に落とし込む段階では、デザイン上の色指定と、実際に再現可能な色域との間にずれが生じることを前提に検討する必要がある。
設計の具体的な観点
具体的には、メインカラーとサブカラーの使用比率、色を面で使うか線や文字に限定するか、資材の地色(紙の白さや素材の色味)が発色にどう影響するかといった観点がある。同じインキ番号でも、紙の種類やコーティングの有無によって仕上がりの色味が変わることがある。
色数を増やすほど印刷コストや管理の手間が増える傾向がある。ブランドカラーを軸にしながら、どこまでの色数を許容するかをあらかじめ整理しておくと、商品展開が広がった際にも判断がぶれにくい。
発注・仕様に落とすときのポイント
発注時は、色をインキの特色(specified color)で指定するか、印刷方式に応じたプロセスカラーで再現するかを明確にし、資材見本と合わせた色校正で確認することが望ましい。特色は再現精度が高い一方でコストが増える場合があり、プロセスカラーは汎用性が高い一方で微妙な色味の差が出やすい。
複数の資材(紙・フィルム・缶など)に同じブランドカラーを展開する場合、資材ごとに色の見え方の差が生じやすいため、資材別の色見本を用意し、許容範囲をあらかじめ定めておくことが望ましい。
やりがちな失敗
- 画面上の色だけを基準に発注し、印刷や資材での色校正を省略すると、量産後に想定と異なる色味になっていることに気づく場合がある。
- 流行色を安易に採用すると、その色が時間の経過とともに古さの印象につながり、ブランドカラーとして積み重ねてきた識別力を損なうことがある。
- 色数を増やしすぎると、印刷コストの増加だけでなく、商品ラインごとの識別が難しくなり、かえってブランドカラーとしての機能が弱まることがある。
更新日: 2026-08-09
- Block
- Branding
- Type
- Color Strategy for Packaging
- Updated
- 2026-08-09
FAQ
よくある質問
ブランドカラーは一色に絞るべきですか
一色に限定する必要はないが、メインカラーと使用比率の基準を定めておかないと、色の印象が商品ごとにばらつきやすい。
画面で見た色と印刷した色が違うのはなぜですか
画面はRGB、印刷はCMYKや特色インキで発色の仕組みが異なるため、同じ色番号でも見え方に差が出ることがある。色校正での確認が必要である。
資材が変わると同じブランドカラーでも印象が変わりますか
紙の白さやコーティングの有無、フィルムの透明度などによって発色が変わるため、資材ごとに色の見え方を確認しておくことが望ましい。