PEFC森林認証とは — 各国制度を「相互承認」する国際的な傘
PEFC(Programme for the Endorsement of Forest Certification=森林認証制度相互承認プログラム)は、世界各国・各地域がそれぞれの実情に合わせて策定した森林認証制度を、国際的な基準に照らして評価し、認め合う(相互承認する)ことで運用される森林認証の仕組みです。世界共通の一つのものさしを各地に当てはめるのではなく、地域ごとの制度を束ねる「傘」のような構造が特徴です。認証面積では世界最大級とされ、欧州を中心に幅広く普及しています。
FSCとの違い — 「統一基準型」か「相互承認型」か
FSCとPEFCは、どちらも適切に管理された森林とその木材・紙製品の利用を広げることを目的とした第三者認証で、目指す方向は近いものです。大きな違いは運用の仕組みにあります。
- FSC(統一基準型):世界のどの地域でもFSCが定めた共通の基準で審査し、FSCラベルを付与します。CoC認証の発行件数が多く、国際的な知名度が高いとされます。
- PEFC(相互承認型):各国が策定した森林認証制度を国際基準で相互に承認し、承認された制度の認証材にPEFCラベルを付与します。地域の森林事情を反映しやすいのが特徴です。
どちらが優れているというものではなく、取引先や輸出先が求める認証、扱う原紙の由来などに応じて選ぶのが実務的な考え方です。紙・パッケージの分野では、両方を並行して扱う企業も少なくありません。
日本のSGECとの相互承認 — 国産材が世界基準で通用する
SGEC(緑の循環認証会議)は、2003年に日本で設立された国内の森林認証制度で、日本の森林の実情に合わせた基準で運用されています。2016年にSGECはPEFCと相互承認され、これによってSGECの認証材はPEFCの認証材としても国際的に流通できるようになりました。日本の運営組織は「SGEC/PEFCジャパン」として一体的に運用されており、国産材を使った紙・包装でも世界に通用する認証表示につなげやすくなっています。
CoC認証 — パッケージ企業に関わるのはここ
森林認証は、森林管理そのものを対象とする認証と、原材料の加工・流通を対象とするCoC(Chain of Custody=加工・流通過程の管理)認証に分かれます。紙・段ボール・紙製パッケージを加工・製造・販売する企業がPEFCマーク付き製品を扱うには、このCoC認証が対象です。認証材が非認証材と混ざらないよう、入荷から出荷まで追跡できる管理体制を整え、第三者審査を受けます。この考え方はFSCのCoCと共通で、社内の管理マニュアルや年次監査の枠組みも似ています。FSC側の取得の流れはFSC認証の解説ページでも紹介しています。
紙・包装での使い方と注意点
PEFCマークやSGECマークは、認証材を一定割合以上使用していることなどの条件を満たした製品に、ライセンスの範囲で表示できます。ロゴの使用にはライセンス番号の取得と、ロゴ使用ルール(表示位置・色・最小サイズ・併記文言など)の遵守が求められます。パッケージ上での表示は消費者や取引先に「管理された森林由来である」ことを伝える手がかりになりますが、表示可否・表記方法は制度規程で細かく定められているため、必ず認証機関の承認を得たうえで使用します。
よくある質問
PEFCとFSCは何が違いますか?
FSCは世界共通の統一基準で認証する仕組み、PEFCは各国・各地域が策定した森林認証制度を国際基準に照らして相互承認する仕組みです。目的は近く、どちらも適切に管理された森林由来であることを第三者が保証します。
SGECとPEFCの関係は?
SGEC(緑の循環認証会議)は日本国内の森林認証制度で、2016年にPEFCと相互承認されました。これによりSGECの認証材はPEFCの認証材としても国際的に流通できるようになりました。
紙・パッケージ企業に必要なのはどの認証ですか?
森林から出た原材料を加工・流通する企業は、認証材が正しく管理されていることを保証するCoC(加工・流通過程の管理)認証が対象になります。PEFCでもFSCでも考え方は共通です。
PEFCとFSCの両方を取得できますか?
可能です。CoC認証はFSCとPEFCの両方を一つの管理体制のもとで同時に運用している企業も多く、取引先の要望に応じて使い分けられます。詳細は各認証機関にご確認ください。